「家族ゲーム」に見る役者・櫻井翔さんについて
今更???と言われそうですけど2019年になって初めて見たんですよ。さてだらだらと語ります。
私は嵐さん5人がわちゃわちゃしてるのが世界一尊いと思ってる5人担ですが、中でも櫻井の翔氏が推しということでやらせていただいてます。
そして、多少お芝居関連の世界に触れたことがあるため、役者さんのアプローチの仕方やどんな役が合うかという妄想、ドラマ映画の演出なんかも無駄に引っかかることがあります。
このドラマめちゃくちゃ面白いけど何が優れているんだろう?演出がいいのか、脚本がいいのか、はたまた役者力なのか。とか。そゆことを。逆に、いまいちハマらないなぁと思ったなら、何が足りないのだろう、とか。
そうして嵐さん熱がガツンと上がってから、彼らの出演した過去のドラマや映画を少しずつ振り返っている次第です。当時、ファンという目線ではなく一般目線で見ていたものもありますが、大抵流し見でしたので。
その中で、まだ全部をさらったわけではありませんが、役者・櫻井翔の真髄が見れるドラマに出会ってしまったので、それについて是非書き留めておきたい。見てから時間経っちゃったから大まかにはなるけど。
それが、「家族ゲーム」です。
以降、このドラマのネタバレを多大に含みます。避けては語れない。あと、「ザ・クイズショウ」に関しても少ーし触れます。
順番でいうと、山田太郎ものがたりを見て、そんでクイズショウを見たんですけどもね。
やまたろはかなりショウサクライ自身が見えるというかすごく自然体かつわかりやすいキャラクターで、ニノもいるってこともあって割と特殊なドラマだとは思うんですね。空き時間は常に磁界発生させてたようですし。それはそれでおいしいです。謎ディもどちらかというとそっち寄りかなと。実に楽しそうだったので見ててニコニコしました。
役者・櫻井翔の片鱗に触れたと感じたのは、クイズショウです。
はじめは、監禁部屋での神山超絶儚美しいじゃんっていう大変邪な目線だったわけなんですが、MC KAMIYAMAで見せる完璧すぎる司会スキルも翔さんさすがだなって印象だったわけなんですが、
相手の芯に触れるときの、射抜くような言葉と、表情。
Sっ気という軽い言葉では足りない、あの威圧感ですか。
これが、役者・櫻井翔の武器なんじゃないかと思いました。
このままだとクイズショウ語りになってしまうので慌てて家族ゲームへと移行しますが、クイズショウの時にこれが武器なのではと感じたものが、家族ゲームではまさしく前面に押し出され、ぶちかまされたのでした。
拙い語彙力でどうにかそれを言語化したいと言葉を探したんですけど、櫻井さんは、
「人当たりのいい誰からも愛される外面と、その内にある誰も侵せない燃え滾るような自己の共存」
を、演じるのが最高に上手いんです。
同時にそれは、「己の信念のためにそれ以外の一切を切り捨てる」役柄を演じるということです。
その燃え滾るような確固たる信念を、表情や言葉やオーラでぶっ刺してくる。
正直なところ、これは翔さん自身がそういう方だからなんだと思うんですね。いちファンの目線であり妄想でもあるのでほんとに軽く受け流してもらって良いのですが。
役者は、その役を演じます。その時に、絶対的に自分自身から材料を持ってくるんです。自分の中に無い要素を出すことは、余程の想像力が無い限り不可能に近いと思っています。
勿論殺人犯を演じるために殺人の経験をするわけにはいきませんから、そういう場合は自分の経験の中から環境、状況、心情、近しいものを引っ張ってきて、置き換える。そうして役に投影していると思っています。意識的にしてるかはさておき。
嵐の櫻井翔という人は、とにかく周りを引き立てるのが上手な方です。お相手や状況に合わせて自分を変えられる人です。自分を殺せる人です。しやがれでさまぁ〜ずの三村さんが言ってたんだったかな、まさにそれだと思いました。
自分を殺せるけれど、それは誰にも揺るがすことができない強い信念があるからこそ。信念を守るべく、自分をいかようにも変えられて、殺すことすらできる。
翔さんご本人で言うなら、それは嵐という存在です。
んで、家族ゲームにおいては、田子の後悔と懺悔、贖罪です。
翔さんは大変理性的な方です。何なら自分すら「自分」から切り離して見ている気がします。
そのくせ、感情を爆発させるお芝居がとても上手い。それはクイズショウでも見受けられます。最終回の横山くんとの顔ぐっしゃぐしゃにしながらの感情のぶつけ合いは凄まじかった。あれ、アイドルがしていい顔じゃないよね……だからこそ感動した。
家族ゲームにおける吉本荒野という役は、非常に難しい役で、一人二役でもありました。そこを、しっかりと線引きして役作りされてるなと思って。
私事ですが、いじめとか、理不尽な目に遭うタイプのドラマは、共感性が高いせいで必要以上に見てる自分が勝手にダメージを受けてしまうので、正直避けてきた苦手分野でした。でもクイズショウで翔さんの「裏に抱えてる芝居」に惹かれた後、家族ゲームのあらすじを見て、おっとこれは好き系かもしれないということでひとまず1話を見て、ぐっと引き込まれてしまいました。
いじめ描写はつらいし、なんなら吉本の行動によって茂之がつらい目に遭って、それはしんどくて、見れないかもなぁって思いながら見てたんです。
でも、1話の終盤で、これは最後まで見ないといけないと思った。
明らかに、表で見る「吉本荒野」と違う「何か」が見えたからです。狂笑と、「現実はお前が思うよりよっぽど残酷なんだ」と茂之にぶつけるシーンで、鳥肌が立つほどに。
「吉本荒野」の真意が知りたい、というよりは、「吉本荒野」と名乗るこの人の中にいる「別のなにか」が知りたい、と思った。明確に別の何かがいる。
あの笑い声と、あとゲップも演出指示じゃなくて翔さん発信らしいですね。あれすごい。明らかに異常だもの。歩き方、立ち方、表情のわざとらしさ。吉本荒野という人間の「作り物」感がよく出てて、おいおい明かされる真実に説得力が生まれる。
そして、これは脚本だったり演出の巧さですが、いじめ描写や吉本の行動がひどいものであってもどこか納得できてしまう「沼田家の異常さ」が全体に表れているのが、続けて見ることができた要因な気がする。言葉は悪いけれど、「いじめられる」ことや「うまくいかない」理由がはっきりと沼田家に由来しているので、それが理不尽になっていないんです。だから、吉本にぶっ壊してもらうことで、一種すっきりした爽快感を得られたようなそんな感覚です。吉本の行動は正しくないけど、必要なことだったなと。それを慎一は最後に理解した。
元々ドラマとしてよくできていると思いますが、翔さんのお芝居の作り方や感情の見せ方、考察の仕方が、ぴったりハマっていた作品なんだろうと思います。
だからある意味ものすごく翔さんらしかったし、それでいて今まで見たことない翔さんだった。
同じ嵐さんでも、ニノさんは自分の感性に任せる「アドリブタイプ」だと思うんですよね。それよりもっと感性で演じるのが大野さん。翔さんはそうではなく、それこそ「シミュレーションの鬼」らしさがお芝居でも見える。自分の中で道筋(キャラクター)を作って、そのルートを考えに考え抜く。
吉本荒野、もとい田子雄大は、強烈な信念のもとで生きているキャラクターで、かつその信念のために「演じている」ひと。
まさしく翔さんが演じるに相応しい役柄だったなと思います。
ところで、最後に慎一に対して「田子雄大として」涙を見せた吉本ですけど。
最後のあの意味深な「いいねえ」、あれがまた良いですね。良い終わりです。
ここへきて、あれも全部嘘だった?と考えることも出来ますが。さすがにそれはないのでは?と思いたいけれど。
そうやって慎一が「信用しきらないこと」が、吉本にとって理想的なゴールだったのかなって解釈しています。最終的に自分のことを信用しきってしまったら、それはそれでだめだった。わざわざ「信用してたのに裏切られる経験」までさせたわけですし。
だから、沼田家にとっての救世主だとか、本当は味方だとか、そんなものになるつもりは一切ないんだろうなと。そう思われることは田子には救いでもなんでもない。田子は結局救われることなんて望んでないんですよね。慎一はそういうところが認められないからあんたは正しくないって言うんだと思う。
会報の翔さん百問百答ラストで、人生最大の野望に「葬儀」と答える翔さんには、田子の信念と重なるところがあったんじゃないかなと思うのでした。
翔さんがこのドラマをやってくれてよかったです。
というわけで、翔さんが好きな人には是非見てもらいたいけれど、強烈すぎて受け入れられない人もいるでしょうね。個人的には、そんだけのインパクトがある芝居ができたってのはとても素晴らしいことだと思います。
余談ですが。
キャスター業をやっている以上、あまり非道徳的なことは出来ないだろうなと思っていたので、こういう題材でこういうキャラクターを演じるのはありなのかーと、
だったら、がっつり裏に抱えてる知能犯とか演じてほしいなーって思ういち視聴者です。
ニノさんか潤くんと共演してくれたらなぁって思ってるんですよね……テイスト的に……ニノさんとオモテとウラ抱え合ってるものか、まっすぐな潤くんと何かを秘めてる系翔さんで……見たい……いや後者はぶっちゃけ、99.9にゲストで出てほしいっていうピンポイントな希望ですハイ
はー!ずっと語りたかったのですっきりした!
明日はベスト発売日なのでうっきうきです!